就労移行支援を探していると「就労移行支援ひどい」「おかしい」「金儲けしか考えてない」と見かけることもあるかと思います。
これまで福祉業界で20年以上。就労移行支援でも長年働いてきたメガネ君が就労移行支援の実態を解説します。
この記事を読んで、ひどい就労移行支援に当たらないような情報提供をできれば幸いです。
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ひどい就労移行支援は存在する?
ひどい就労移行支援は、実際に存在します。
というもよりも結構多いかもしれません。ここではこれまでメガネ君が見てきたひどい就労移行支援を紹介したいと思います。
- 就職の支援をしない
- 利用者の体調を無視して無理に通わせる
- 提供しているプログラム(訓練)内容がひどい
- 就職後は何もサポートしてくれない
それぞれ詳しく解説したいと思います。
ひどい就労移行支援は就職支援をしない
ひどい就労移行支援の1つ目は就職支援を全くしない就労移行支援です。
皆さんは、就労移行支援に求めることはなんですか?人それぞれ様々な理由はありますが、多くの方は自分にあった就職先を見つけ、そこで長く働いていくことだと思います。
厚生労働省のサイトには就労移行支援とは以下のように書かれています。
就労を希望する障害者であって、一般企業に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、一定期間就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。
解釈は様々ですが、多くの就労移行支援では知識や訓練の提供だけではなく、その後の就職や定着までをサポートしてくれます。
ただし、ひどい就労移行支援では、そのような就職支援を全くしてくれません。
これま出会った多くの相談者の中には就労移行支援に2年通い、就職の支援を全く行ってくれず利用満期の2年を迎えたら後は自分で頑張って就職活動してくださいね。とある意味放り出されてしまったという方が結構いました。
そんなひどい就労移行支援には通わないよう、利用前に必ず就職実績やどんなサポートをしてくれるのかを丁寧に確認しましょう!
利用者の体調を無視!無理に通わせるひどい就労移行支援
ひどい就労移行支援の2つ目は、無理に通わせようとする就労移行支援です。
確かに就職後に求められるのは体調管理が自分ででき、欠勤なく通える(働ける)方を企業は求めますが、就労移行支援の利用し始めのころは体調もなかなか安定しなく、休みがちになってしまうこともよくあることです。
そんな状態を無視して、いきなり週5日間通わせようとしたり、休みたいと連絡したら働いたらそんなことは許されないなどとまるで脅すかのように無理に通所(通わせる)させる就労移行支援も多くあります。
メガネ君が以前いた就労移行支援でもスタッフの目標に利用者さんが欠席しないようにすることや、必ず振替日を設定するようにしていたところもあるくらいです。
こんな就労移行支援には出合わないように、どのくらいのペースで通えるのか、しっかりと事前に確認しましょう。
提供しているプログラム(訓練)内容がひどい
就労移行支援のプログラムはこうでなくてはならないという明確な決まりはありません。
就労移行支援ごとに独自のプログラムを提供されていることが多いのですが、提供しているプログラムが本当に就職のために必要なプログラムが提供されているかと言うとかなりひどいプログラムを提供しているところも多く存在します。
これまでメガネ君が見てきた中で本当にここって就労移行支援なの?!と疑ってしまうほどひどい内容だったプログラムには「映画やアニメを見て自分の意見をディスカッションしましょう」「自分の夢を考えてみんなにプレゼンしましょう」みたいな正直就職には関係のないプログラムです。
例えば、上記のようなプログラムがレクリエーション的要素で月1回程度やっているならまだしも、メインとしてこのようなことをやっている就労移行支援はあまり信用できません。
また、多機能事業所によくある、就労継続支援B型事業所で請け負っている作業系の業務を就労移行支援でプログラムとして提供しているところも要注意です。
仮にご自身が作業系の仕事に就きたいならばこのようなプログラムは意義のあるものではありますが、事務とかで原着たいと思っている方にずっとこのようなプログラムを提供し続けている就労移行支援は要注意です。
どのようなプログラムをやっているか、それが自分の就きたい職種で役に立つのか、プログラムを体験して自分の判断で決めて見るようにしてください
とりあえず、就職者を排出することだけを考えているひどい就労移行支援
とりあえず就職のことだけを考えている就労移行支援にも要注意です。
これまでの就職のための支援をしない、休ませてくれない(無理に通わせる)、提供しているプログラムがひどい、といった本当にひどい就労移行支援よりかはまだ就職ができるという点では良いのかもしれませんが、皆さんが求めていることは就職だけでしょうか?多分就職して障害のことを理解してくれ、長く働き続けられることを目指されている方が多いのではないかと思います。
ただし、ひどい就労移行支援の中には、とりあえず就職だけどんどん出そうとしてその方の希望や個人の特性にあった就職先を一緒に探さない就労移行支援も多くあります。特にメガネ君の経験では自社採用の割合が多い就労移行支援はちょっと注意して見たほうが良いかもしれません。
ひどい就労移行支援を選ばないためにはどうすればいい?
これまでメガネ君が経験してきたひどい就労移行支援を紹介してきましたが、こんなひどい就労移行支援を選ばないためにどうすればいいかを紹介したいと思います。
- 利用者の口コミを見てひどいと思われる就労移行支援はそもそも問合せない
- 第三者に相談できる人を見つけておく
- 実際に見学や体験して自分の目で見る
- 見学体験するときにスタッフや利用者に大切なポイントを確認しておく
それぞれ以下で解説したいと思います。
利用者の口コミをみてひどい就労移行支援はそもそも選ばない
就労移行支援を検索していると様々な口コミが存在します。
メガネ君が一番信頼している口コミはGoogleマップの口コミです。理由は個人アカウントで本人が投稿しているので、一番操作されていないリアルな口コミが見れるからです。
ただし、変に攻撃的な口コミが1人からやたらあるような口コミは鵜呑みにしないほうが良いのも事実です。不特定多数(5名以上)が口コミしててなおかつその口コミが総じて良い事業所を選ぶと良いと思います。
第三者に相談できる人を見つけておく
就労移行支援を見つける上で大切なポイントが第三者に相談できる人がいるかいないかです。
ここでいう第三者は家族や仲の良い友人とかではなく、就労移行支援の情報を持っている方です。
メガネ君のオススメは、相談支援事業所や自治体の保健センターや医療機関のワーカーに自分にあった就労移行支援を一緒に探してほしいと相談することです。ここらへんの人であれば就労移行支援の情報を一定持っているのと、ひどい就労移行支援との見分けがそれなりに付いているからです。
実際に見学や体験して自分の目で見る
この観点も非常に重要です。ひどい就労移行支援って実際に見学体験してみるとなんとなく空気がどよーんとしているものです。(利用者やスタッフが生き生きしてないというのでしょうか・・)
就労移行支援を利用すると、早くても3ヶ月〜半年は通うケースが見込まれます。自分が中長期間、通う就労移行支援は自分の目でみて判断されることをおすすめします。
見学体験するときにスタッフや利用者に大切なポイントを確認しておく
見学体験だけでなく、先程ご紹介したひどい就労移行支援ではないかを確認することをおすすめします。確認するのはスタッフにも、そして体験してみて利用されている方にも確認してみてください。
確認するポイントは以下になりますので、実際の見学や体験時に必ず確認してみてください。
- 就職実績はどのくらい?
- どんな企業に就職している?
- 就職までの平均利用期間は?
- 就職した方の定着率はどのくらい?
- 利用者の利用頻度はどのくらい?体調が不安なんだけど相談できる?
- プログラム内容はどんなことをやっている?実際のプログラム表などある?
- どんな障害のある方が利用している?
ここらへんの情報を聞いておけば間違いなさそうです!
また上記の情報はスタッフだけでなく利用者にも聞いてみることをおすすめします!
就労移行支援が金儲けと思われてしまう理由
就労移行支援を調べていると金儲けという言葉が出てきますが、なぜこのように思われてしまうかを解説したいと思います。
就労移行支援=金儲けと思われてしまう理由としては、就労移行支援の売上モデルと先ほども紹介したひどい就労移行支援がやっていることの2つの理由が重なっていることにあると思います。
それぞれ紹介したいと思います。
就労移行支援が金儲けと思われてしまう売上のモデルとは
就労移行支援は以下のような売上モデルで成り立ってます。
1日あたりの利用者数×就職後の定着率の割合
ここでいう1日あたりの利用者数は804単位と言われ、基本一人が1日就労移行支援に通っていただくだけで8,040円の売上が上がる計算となります。
全く就職者数を出していない就労移行支援でも20名の利用者がいて、週5日間通っていただいていれば、8,040円×20名×5日間×4週間=3,216,000円の売上があがる構造です。(もうちょっと厳密に言えばその他いろんな加算が加わるのでもっと高い売上になるのですが、細かく記載するとメガネ君でも混乱するのでここでは省略します)
そうすると、事業所はなにを目指すかと言うと、登録者数は少なく、1名あたりの利用数は増やしたい、卒業するよりも長く利用してもらったほうがいいと言う考えになりやすくなってしまいます。
もちろん国もよりよい仕組みにするため、ここ10年で、1名あたりの利用者基本加算を減らし、就職を出している就労移行支援への加算を増やしたり、直近では就職者数だけではなく定着率のよい就労移行支援への加算を増やしたりと変化はしてきているものの、一定基本加算が高いモデルだと就職者は出さなくていい、多くの利用者に長く使ってもらうことだけを考えている就労移行支援がどうしてもなくならないという構造になっております。またこの構造がある限り先ほど紹介したひどい就労移行支援がなくならない理由にもつながってしまうのです。
では次に、就労移行支援の実態って結局の所どうなのかを紹介したいと思います。
就労移行支援の実態とは?
これまで、ひどい就労移行支援とはどんなところか、そんな就労移行支援を選ばないためにどうすべきか、金儲けと思われてしまう残念な仕組みを紹介してきましたが、実際に就労移行支援の実態ってどうなのか?をご案内したいと思います。
就労移行支援ができたことで、段々と障害者の就職は増加傾向にある
これまでひどい就労移行支援のことを紹介しましたが、すべての就労移行支援が悪いわけではありません。
実際に就労移行支援が広がったことで、障害者の就職率は増加傾向にあります。
こちらのグラフを見る限り平成23年の就職者件数は約6万人だったのが、直近の令和3年では9.6万人と3.6万人近く増加傾向にあることがわかります。
就労移行支援を利用した方の一般企業への就職割合は増加しつつある
厚生労働省が令和2年に発表した以下のデータによると、就労移行支援からの就職者数は利用者の半数を超えるようになり、障がい福祉サービスの中でも増加していることが伺えます。
ただし、まだまだ半数程度の方しか就職できておらず、この中には全く就職者を出していない(昔から変わらない)ひどい就労行こ支援が含まれているからだと考えられます。
法改正に伴い、ひどい就労移行支援は減少傾向にある
就労移行支援の事業所数はH29年をさかいに減少傾向にあると言われています。
これは、就労移行支援の売上モデルが利用者をただ単に支援していれば売上が上がるモデルから、就職者を出さなきゃいけない→ちゃんと定着している状態じゃないと売上があがらないモデルに切り替わったことから、今まで就職者数やそもそも定着を考えてこなかった就労移行支援が減少していることが考えられます。
メガネ君としてはひどい就労移行支援はどんどんなくなればいいと思っているので、このような動きには大賛成です。
おすすめの就労移行支援はあるの?
これまでひどい就労移行支援やその実態に関して紹介してきましたが、結局おすすめの就労移行支援ってあるの?という疑問が残ると思います。
一応メガネ君のおすすめは以下の就労移行支援です。
でも、実際に合う・合わないは人によって違いますので、利用関係なくまずは見学とか相談してみて自分に合うか確認することをおすすめします。
よく見学したいんだけど、利用しなきゃいけないんでしょ?と聞かれるのですがそんなことは一切ないので、まずは自分に合うかを知るために。という程度で見学してみてください。
また「おすすめの就労移行支援」や「就労移行支援の選び方」などの関連記事を紹介したいと思いますので、参考までに御覧ください。
全国でとりあえずオススメを教えてほしい方はこちらの記事を参照ください。
就労移行支援についてもうちょっと詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。
これ以外にも、都道府県別におすすめの就労移行支援を紹介しております。
自分のお住いのエリアのオススメ就労移行支援を知りたい方はTOPページより記事を参照してみてください!
就労移行支援ひどいのまとめ
皆さんいかがでしたでしょうか?
就労移行支援 ひどい・金儲け・実態どうなの?という皆さんが気になるポイントに関してメガネ君のこれまでの経験でご紹介してきました。
確かにひどい就労移行支援は存在します。ただしすべての就労移行支援がひどいわけではありません。
紹介した選び方などを参考に、あなたにあった就労移行支援を選んでいただけると幸いです。